温度と調湿

外周壁の室内側は,断熱をしても,他の室内面より表面温度は低くなりがちである。もし断熱材の充填にすき聞 があったり, RC造でフォームタイが残っていたり,天井の吊金物や金属の野縁が断熱材を切って埋め込まれていたり,窓周りや梁型の断熱施工がなされていなかったりすると,そこは冷橋(ヒートブリッジ)となり ,ほとんど確実に部分結露を引き起こす。

このような外気温の影響だけでなく先の家具の裏側のような,空気のよどみによる結露も結局は壁の表面温度が上がりにくいために起こる。北側の聞けつ暖房や部分暖房によって,非暖房室が生じたりすると ,室温そのものも上がらず,そこへ水蒸気が浸入していくことになる。南側の非暖房室は,昼間,日差しの助けを受けて温度が上がるので,相対湿度は低く保たれる。しかし ,日が落ちれば,水蒸気は飽和しやすい状態になってしまう。このように室内の場合は「暖房をしなければ,外気と同じ条件になるので湿度は低く抑えられる」といった理屈は適用せず,自然の日照によっても温度は変化するし,水蒸気はさまざまな形で発生し供給される。天井裏での結露は,天井を張ることそのものによって熱の移動が妨げられ天井裏の温度が上がりにくいことによって起こる。

したがって,天井のすぐ裏側での断熱材の使用は,この傾向を助長するものと考えなくてはならない。天井の防湿が不十分で,天井換気もなく ,また 2階の床の仕上げがビニールタイルなど不透湿であったために,また ,床下の換気が十分でないために根太が腐るといった例もあり,ここでの断熱と防湿, とくに不透湿の仕上げ材の使用については,慎重な配慮が必要でドある。また最上階では,屋根や屋上の防水,断熱構法の影響も大きいし,地下部分も,地温が15度近辺で安定していることが多く,ここを低温側としない工夫が必要である。