暖房と内部結露

日本の住まいの多くは,暖房を行っているので,夜,暖房を止めた後,室温が下がるにつれ,当然相対湿度は高まり ,断熱のうまくいっていない住まいでは表面結露を,また防湿や排湿のうまくいっていない住まいでは内部結露を引き起こす。こうした現象は,内から外への水蒸気の移動によって起こるだけでなく,暖房室と非暖房室との間でも生じてくる。陽に干した布団や洗濯物は早自にとり込まないと ,かえって湿ってしまうのは,温度の降下によって相対湿度が上がってくるからだが,表面結露は室内外の温度差よりも,このような部屋の温度が下がり ,相対湿度が高まることから起こる場合が多いといわれる。

とりわけ暖房の方法との関係が深いのは ,気温が10度以下に下がるとわずかな温度の差によって,相対湿度が急激に高くなり,飽和状態となり結露を引き起こしやすくなるからである。したがって,暖房を行うときは,時間的にも空間的にもなるべく温度差をつくらないようにすることが大事である。また暖房や部分暖房を行う場合には,表面結露を防止するための断熱設計を,非暖房時を基準として,十分に行うなどして,室温がゼロ度以下にならないよう計画しなくてはならない。またパッシプな方法とはいえないが,暖房を止めたあと除湿器を動かすといったことも,地域によっては,結露防止に有効な一案であろう。

他方,人間も常時水蒸気を発生しているが,現代の住まいでは,室内に置かれる植物,寝具,洗面所での洗髪,食卓での調理,雨に濡れたカサや靴などがやはり水蒸気の発生源となっている。このように建物が竣工し,人が生活を始めると ,室内の水蒸気の量は確実にふえていく。とりわけ,急激に多量の水蒸気を発生させるのが厨房と浴室で,そこでは発生源から直接速やかに外部へこれを排出するのがまず第ーである。そして隣室や上下階への水蒸気の移動を確実に止めるため,防湿層を設けなければならない。このとき,天井内や壁体内に空気層が生じる場合には,断熱材の使い方にも十分注意が必要である。まず浴室では,表面結露が生じても ,天井に勾配をつけて処理することで問題があまりなければ,タイルや金属板など不透湿の仕上げ材料と防湿層を組み合わせて,できるだけ表層の近くで防湿することが,確実な方法である。壁体内を断熱するときは,空気層を生じないように,十分断熱材を充嘆することが必要である。天井は, どうしても空気層が生じてしまうことが予想されるし,もし断熱を施すと ,浸入した水蒸気は,天井裏の断熱された冷たい空気によって冷やされ,そこで結露する心配がある。したがって,この場合には,天井裏に換気口か,換気装置を設けるなど,防湿や排湿に十分気を配ることが大事である。また,そこでは,木のような吸放湿性能をもった仕上げが好んで使われるが,それは同時に透湿性の高い素材でもある。